日曜日マスク展

2 6月

血圧あげると頭痛がする体調になってしまい、自転車は脳を刺激する程度に数分乗って終了。

切り替えて東京都庭園美術館「マスク展」にいってきました。

木製が非常に多い。この辺は素朴な造形だがフォルムが本当に刺激的。
展覧会ページからリンク引用、1番目がナイジェリアの仮面、2番目がアラスカの仮面。
ナイジェリアの仮面アラスカの仮面

ナイジェリア付近というと、先日の大英博物館展で出てきたシエラレオネしかり、マリ、ブルキナファソ、ザンビアと赤道以南以北ずいぶん広いアフリカに通過儀礼を取り仕切る秘密結社が出てくるのがわかりました。
もっとも秘密結社といってもイルミナティとか黄金の夜明けといったニュアンスではありません。仮面結社というほうが近いかもしれない。デストロンはトランスフォーマーだと思います。
遠くパプアニューギニアにも共通しているのが不思議です。

祖霊や仮面の関係があってもネイティブアメリカンマスクはちょっと結社の儀式っぽくはありません。森(危険だがルールを守れば豊かなものを与えてくれるもの)に生産が大きく依存していて、同時にルールを教え込まないと学習コストが高すぎる社会で権力構造と絡まりあって発生するのが、成人=森への立ち入りを許される、という制度なのかなあと思います。

結社と仮面のモチーフは、宇宙人や超文明の残したSF的生産施設に依存した現生人社会、その中で通過儀礼に出会う少年少女、なんて物語構造には、よく合致しそうです。

マリのそれはジョジョの奇妙な冒険の「石仮面」のモデルのように思えるし、ジャコメッティやモディリアニもたぶん……影響されてます。美術史的にも重要なのではないかと思います。
ジャワの仮面で目が飛び出てるのは、風邪などになったとき高熱の悪魔が体から出ていこうとするさまをあらわしてるとかほかにも興味深い話があり、単純に造形であればタイのコーン劇の面(紙製)が高度な造形とペイントで、勉強になりました。

そして最後に、とてつもないテクニックで作られていることがありありとわかる日本の能面、やはり素晴らしいな、という結論に導かれた感があります。能面師の岩井彩さんの制作風景を映像で流していましたが、型紙をあて胡粉を塗り、古びた風合いのために梨地のスパッタリングをほどこし……と古面の写しでありながら近現代の芸術技法も取り込みながら進歩していてとても面白かった。

グリーンランドのような木に乏しい地域にも仮面はあって、革製マスク(これは子供用の風邪避け)が作られてるというのも紹介されていました。

マスク展は2015年6月30日(火)まで開催です。


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